みかんぐみスイッチ講習会|2023年10月


10月29日(日)、済美養護学校の体育館をお借りして、スイッチ講習会を開催しました。

みかんぐみのスイッチ講習会は昨年に引き続き2回目となります。(昨年の報告はこちら)1回目はスイッチとおもちゃなどのアイテムをつなぐBDアダプタを制作する制作イベントでしたが、今年は、スイッチ体験コーナーやVRブースを設置して、体験型イベントとして開催しました。

前半のご講演は、「障害の重い子どもへのテクノロジー活用」と題して、昨年に引き続き、帝京大学教育学部教授の金森 克浩先生にお願いしました。

ICTが強調されている現代ですが、鉛筆に補助具をつけるのもテクノロジーのひとつ。テクノロジーの本質的な意義や実際の活用例などを、ユーモアを交えながらお話を頂きました。本人がいかに使いやすく楽しめるように使えるかが重要で、もっとやりたいという気持ちが、他者とのコミュニケーションや意思の表出につながっていくんですね。

とは言っても、スイッチは基本的に、ONとOFFしかできません。PCで言ったらマウスの左クリックのみです。マウスを動かすことはできません。左クリックだけで、何ができるんだろうと思いませんか。これが一番難しくて、一番楽しく、工夫が必要なところです。先生からは、思わず笑ってしまう工夫をたくさん伺いましたが、ここで2つだけご紹介しますね。

・音楽をON/OFFして、椅子取りゲームの音楽係をする

・音声をONして、「呼び出し」をする

自分がスイッチ押したら、周りの人が勢いよく動き出す。もしくは止まる。想像するだけで、ものすごく面白そうじゃないですか?

子どものいたずら心を刺激するうまい使い方だなと感心してしまいました。早速、近隣の小学校との副籍交流で、提案してみたいと思います。担任の先生が音楽を止める時とは全然違うタイミングのずれ具合が、子ども達の爆笑を誘うだろうと想像してニンマリしています。

ご講演の後は、参加者に自由にブースを体験していただきました。

・スイッチ体験(マジカルトイボックス)
1) iPadコーナー
2) スイッチおもちゃコーナー
3) 視線入力装置コーナー
・VR体験(一般社団法人デジタルステッキ)

iPadコーナー
スイッチおもちゃコーナー
視線入力装置コーナー
VR体験コーナー

今回、販売コーナーもあったのですが、BDアダプタは売り切れになるほどの人気ぶり。大盛況となりました。

筆者の子どもは、小さなスイッチを狙って押すのが難しく、おにぎりスイッチやフィルムケースのスイッチは使えないなと諦め半分だったのですが、「ピエゾスイッチ」のエアバッグ式のスイッチを試したところ、しっかりとインプットすることができ、驚きました!

ちなみに、一番気に入ったコンテンツは、画面上のくまさんをタッチすると「もぉ〜くすぐったいなぁ〜」と喋るアプリでした。いたずら心に火がついたようで、大爆笑でした。

iPad用のアプリも色々あり、「肢体不自由」「iPadアプリ」などと検索するとおすすめアプリがたくさん紹介されています。iPadタッチャーや改造マウスなどで画面操作が可能なので、お気に入りのアプリを探してみると良いと思います。

VRコーナーも盛況でした。まだ肢体不自由のお子さん向けのアプリは出てきていないようですが、視界いっぱいに映像が広がる様子は未来的で、外に出るのが難しいお子さんも、疑似体験ができるようになるのかと期待が膨らみました。もしかしたら将来は、VRの世界でお仕事をしたり、恋愛を楽しんだりするかもしれませんよね。VRの中で結婚式なんてこともあるかも?

最後に、貴重なご講演と、経験を元にした多彩なアドバイスをくださった金森先生、さまざまなスイッチを試しながら、矢継ぎ早の質問に笑顔で回答くださったマジカルトイボックスの皆様、未知なる世界を見せてくださったデジタルステッキの皆様、臨機応変な対応でイベントを成功に導いてくださったボランティアの皆様、そして参加者の皆様に、お礼を申し上げます。ありがとうございました。