みかんぐみスイッチ講習会 2022年10月


2022年10月10日(月・祝)、帝京大学教育学部教授の金森克浩先生をお迎えして、スイッチ講習会を行いました。当日は19家族49名と多数のご参加を頂き、申込みが多くてお断りさせて頂いた方もいらっしゃるほど、関心の高いテーマでした。

スイッチとは、電気で動くものをON/OFFするための部品です。(ゲーム機のSwitchじゃないよ!)

照明のスイッチ、扇風機のスイッチ、おもちゃのスイッチ、と身近にも様々なスイッチがありますが、通常は指先で強く押すタイプのスイッチが多いかと思います。これを、軽い力で押す、引っ張る、触るなど、その人のできることに合わせて使いやすくすることで、障害のある方でも使えるようになります。学校では、スイッチを押すと「はーい」と音声が流れるスピーカーを使ってお返事をしている子もいますね。写真は、倒すとONになるスイッチの例です。

前半は金森先生の講義で、主体的な行動を増やす取り組みについてご紹介いただきました。

野菜を収穫する体験として、スイッチを押したら支援者の持つ耕運機が作動し、土を耕すことができるようにしたり、つかんだ種を手を離してまいたり、焚き火にサツマイモを落として焼き芋を作ったりしていました。サツマイモが樋(とい)の中をすーっと進んでドスンと落ちると、本人もお友達も支援者も、みんなで大喜び。

料理をする過程を体験するために、スイッチを押したらバナナがギロチンで切れる仕組みもありました。この時には、ぶら下がった風船を押すと作動するスイッチを作製していました。スイッチの種類も形状も、本当に工夫次第なんだなと驚きました。

いつもお世話されてばかりの生活で、ともすると他人のタイミングで物事が進みがちな子どもたちにとって、「自分が何かしたら何かが起きる」という経験はとても大切なんですね。「自分でやった」という体験が、もっとこうしたい、こうしてほしい、という前向きな関わりへ進めてくれるということに、改めて気づかされました。

そして後半は、スイッチとその先の機器(おもちゃや扇風機、スピーカーなど)をつなぐ、「BDアダプター」の制作をしました。

はんだづけをするなんて中学校の技術の授業以来という方もたくさんいて、説明書を読んでも全然分からない!!そんな状態でしたが、金森先生の所属するマジカルトイボックスのみなさんが応援に来てくださり、手取り足取り教えてくださったおかげで、皆さん、無事に完成品を持って帰ることができました。おもちゃを持参してくださった参加者は、実際にスイッチをおもちゃにつなげて動かしてみたり、マウスを改造して左クリックをスイッチで使えるようにしたりもしていました。

ほかにも、女子美術大学 の皆さんが、手作りスヌーズレンを準備してくださり、素敵空間を演出してくれました。おかげで、子どもたちも楽しく過ごすことができました。また、ボランティアの皆さん方が、設営や撤収作業などの他、親が作業している間に子どもたちの相手をしてくださったので、慣れない作業にも集中して取り組めたかなと思います。皆様に感謝です!

今回は、スイッチの色々を試す時間まで取れなかったので、そういった企画も実施できたらと思っています。

ご参加いただいたみなさま、ボランティアのみなさま、ありがとうございました。